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さとくらしカレッジ木曽04「豆腐屋として、母として、地域に生きる」レポート

前半最後となったさとくらしカレッジ木曽、長野県伊那に在住の豆腐工房まめや店主・青木春奈さんをお呼びして、「豆腐屋として、母として、地域に生きる」をテーマに、12月1日(日)に開催しました。木曽地域の女性が多く参加してくれた今回のイベント、ふらっと木曽の坂下がリポートさせていただきます。

今年の5月にフジ系列の「セブンルール」に出演されていた青木春奈さん。青木さんが取材をしていただく前に番組にお願いしたことの1つが、「豆腐屋としての姿も、母親としての姿も、村人としての姿も全て撮ってください。」だったそうです。豆腐屋を営む女将でありながら、同時に子ども5人を育てる母親でもあり、村の一員でもあり、全てがリンクして青木さんの生き方を作っているのですね。

今回は、豆腐工房まめやさんのお豆腐を味わいながら、【お店のこと・ 母親として子育てのこと・地域のこと 】3つのお話をお伺いしました。

豆腐工房まめやさんは、5年前に一度閉店されています。閉店前お店が忙しくなりすぎて、朝から晩まで仕事していたとき、「いったん立ち止まりたい」と考え島根へ移住。ほぼ夜逃げ状態で移住されたそう。

充実した島根生活を送っていたそうですが、旦那さんの「この仕事向かない、やっぱ豆腐作りたい」の声をきっかけに、3年前に伊那へ戻ってきて豆腐工房まめやを再開。このときの合言葉は、「無理をすることはやめよう」。人を雇うのはやめて、起きるのは1時から3時半へ。配達もやめて、大きなスーパーに卸すのもやめてと、無理をしない働き方にチェンジしてきたそう。これは今も変わらず、「何をそぎ落として、何を残していくのか」を考え続けているそうです。

「無理をすることはやめよう」、そう思えるようになったのは、自然のおかげだったと話す青木さん。
畑をやっていた時に、同じ場所に毎年毎年生えてくる野菜たち。自然は、裏切らず、毎年おんなじように循環し、巡って、生き物は芽をだします。「都会にいると、未来は直線の先にあるように思って生きてきた。でも本当は、今年のことが、また来年巡ってくる。季節は巡ってくる。必ず循環している、未来は先ではなくて、おんなじように繰り返されているんだな。」そうわかったとき、今年できないことは、来年やろう。来年できないことは、再来年やろうと安心できたそうです。

お話しは、2つ目のテーマ「子育て」へ。「母親はできなくていい、そのぶん、子どもたちには家族の一員として、いっぱいお願いをしている」と笑顔で語る青木さん。大切なのは、「小さい時にやらせること。子どもが「やりたい」といったらお願いする」こと。子どもには、おかあさんの真似をしたい時期があります。そのとき、自分でやった方が早くても、時間がなくて急いでる時でも、子どもが自らやりたいと思った瞬間にやってもらうことが大切なのだそうです。違う時に「やってみる?」と言っても時すでに遅し…。

こどもの「今やりたい」の気持ちを大切にする
そして、子供がしてくれた時は、たくさん褒めてあげて、「ありがとう」をちゃんと伝える。

この2つが、子どもにお願いをする上で大切なことだそうです。

普段子どもと遊ぶことが少ないという青木さんは、日常の暮らしの中で大切なことを伝えるようにしているそう。
一緒に料理をしたり、渋柿を取ってきて一緒に剥いたり「暮らしの知恵を伝える時間を大切にしている。そして、それを楽しんでやるというのを心がけている」とのこと。地域の人から何か学ぶ時は、自分だけでなく、子どもも一緒に教えてもらっているそうです。子育てと地域での暮らしが繋がっているのがよく分かります。

豆腐工房まめやさんに引き寄せられるように、移住者が増えているという山あいの集落。青木さんは、「地域活性化は、外からしてもらうものではなく、幸せだな、ずっといたいな、と思える村に自分たちでしていくこと」と話してくれました。

青木さんは、地域の人や移住者がそれぞれの知恵やスキル、アイディアを持ち寄り住みたいと思える村をつくっていく、その想いを繋げていく「ツナギ」のような役割をしているのだなとお話しを聞いている中で感じました。

今回のお話の中で印象的だったのが、「挑戦」という言葉。

「世の中の普通に対して挑戦していきたい。
普通はこんな山奥で商売しないだろう。
普通はこんな価格で豆腐を売らないだろう。
普通、将来の夢で豆腐屋になりたいと思わないだろう。
普通じゃなくても生きていけるということを、世の中に問いたくて。」

青木さんの生き方は、挑戦そのもの。
だから、挑戦は今も続いていて、これから先もずっと続いていく。
つねに学びの姿勢で、失敗も含めて楽しそうに話をしてくださる青木さんが印象的でした。

当日は、そんな青木さんの挑戦の物語を笑いとともに教えてくれる漫画本(青木さん作!)も販売していただきました。「東京から憧れの田舎暮らしをはじめたら、すごく過酷だったという話をネタにしようと思って作った」という4コマ漫画本。リアルな田舎暮らしを笑いとともに届けてくれる一冊、おすすめです!

最後は、みんなで豆腐スイーツをいただきながら、おしゃべりや質問タイム。

豆腐スイーツは、豆腐マイスター認定講師 豆腐・おから和スイーツ研究家の藤田圭子さんに、提供していただきました!豆腐スイーツには、これまた美味しい木曽町・田中屋さんの豆腐・豆乳を使用していただきました。優しい豆腐の味わいがうれしい豆腐スイーツも堪能して、心もお腹もいっぱいな1日。

参加していただいたみなさんの笑顔が素敵!
本当にありがとうございました!また会える日を楽しみに。

豆腐工房まめやさん、木曽地域から車で行けるので、ぜひー!(^^)

豆腐工房まめやさん情報
〒396-0304 長野県伊那市高遠町山室2326-1
TEL : 0265-96-7710
■営業時間 -火・水・木 12:00~17:00(都合により15:30まで)
     -金・土 10:00~17:00(都合により15:30まで)
■定休日 日曜日・月曜日・土曜不定休

special thanks.二宮美香、駒井 花子、九里 美綺、西尾絵里子
photo by.澤ひろゆき
writen by.坂下佳奈

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